COM3D2のボディーを自分でハイポリゴン化
今回も当ブログをご覧頂き、ありがとうございます。
前回は、COM3D2のボディーを四角面にしてから細分化した各頂点の座標をコピーして、改めてインポートし三角面で細分化したボディーの各頂点をコピーした座標に貼り付けることで、三角面のモデルを四角面で細分化したのと全く同じ状態にすることができました。
その際、他のシェイプキーに影響を及ぼしてしまう「Basis」というシェイプキーに直接ではなく、ダミーのシェイプキーを作ってそれを行い、その後、そのダミーのシェイプキーをBasisに合成しました。
今回は、他のシェイプキーもそれぞれのシェイプキーを四角面で細分化した状態をコピペするのですが、その前に、前回のBasisだけコピペが済んでいるボディーの他のシェイプキーが、合成によってどのような影響を受けたのかについて、まずはその様子からご覧頂きたいと思います。
Basisへの合成後の他のシェイプキーの様子
そもそも、COM3D2のボディーには、次の8つのシェイプキーが存在します。
- Basis
- arml
- hare
- munel
- munes
- munetare
- regfat
- regmeet
まずは、そのうちのBasis、arml、munelの3つを同一視点で見比べて頂きたいと思います。
Basis
arml
munel
各シェイプキー、Basisと共通の部分は、ダミーからBasisに合成された形状が反映されているため、全く同じ状態になっています。
しかし、各シェイプキー固有の部分は、合成が反映されてはいても、三角面でスムーズ細分化された直後のような乱れた状態が残っています。
では、他のシェイプキーの固有の部分もどうなっているのかということで、今見て頂いた2つも含めて、もう少し詳しく見て頂きたいと思います。
arml
hara
munel
山間
山間
山麓
脇の修正もmunelの重要な修正ポイント
munelこそが、件のお山ということで、早速ご登場です。
Rounderでハイポリゴン化する場合は、munelの山間と山麓が最大の山場になります。
munes
munetare
regfat
regmeet
munel以外は、四角面で細分化された状態が反映されているだけのことはあり、このままでも遜色はない気もしますが、やはり、他のシェイプキーも、それぞれのシェイプキーを四角面で細分化した状態をコピペしたらどのような感じになるのか気になると思いますので、まずはその手順を紹介したいと思います。
他のシェイプキーに四角面で細分化された状態をコピペする手順
ここでの説明は、前回のダミーのシェイプキー経由でBasisに四角面で細分化した状態がコピペしてあるボディーが、エクスポートではなく保存されているという前提で話を進めたいと思います。
改造前のCOM3D2のボディーをインポート
まずは、改造も何もしていないオリジナルの状態のCOM3D2のボディーをインポートします。
「三角面を四角面に」を実行
編集モードに切り替えて、COM3D2のボディーを全選択し、「Alt + J」で「三角面を四角面に」を実行します。
「A」で「全選択」 「Alt+J」で「三角面を四角面に」
下処理したボディーを保存
「三角面を四角面に」の実行により、鳩尾とお尻の上にできる縦の中心線で分断されていない面は、不具合の原因になるため手動で縦に二等分します。(詳細は前回の投稿にて)
と、ここまでの作業をシェイプキーごとに行うのは面倒なので、下処理が終わった状態のCOM3D2のボディーを保存します。
この状態で保存
コピペ元のシェイプキーを選択
コピペするシェイプキーを選択します。
下の例では、armlです。
左右対称化
と、ここで一つ問題があります。
実は、COM3D2のボディーのシェイプキーのうち、Basis以外のシェイプキーは、その固有の部分が左右対称にはなっていません。
試しにarmlの頂点を全選択して、検索ツール「左右対称でない頂点を検索する」を実行します。
すると、ご覧のように左右対称になっていない頂点のみが選択状態になります。
見た目には影響のないわずかなずれなのかもしれませんが、やはり、左右対称にモデリングしたいですので、左右対称化のサブメニューの「近似±0.00001」を実行すると、x、y、z全ての座標が±0.00001以内で左右対称に近似の頂点同士を、双方の各座標の値を足して2で割った値で左右対称にします。
左右対称化後、もう一度「左右対称でない頂点を検索する」を実行し、選択状態になっている頂点がなければ左右対称化は完了ですが、選択状態の頂点があった場合は、さらに範囲を広げて左右対称化します。
尚、「左右対称でない頂点を検索する」を実行した結果、縦の中心にある頂点が選択状態になっていた場合は、その頂点のx座標の値が完全な0ではないことを意味します。
haraの検索結果
この場合は、プロパティから直接入力してxの値を0にします。
スムーズ細分化
2-4で選択したシェイプキーを全選択してスムーズ細分化を実行します。
前回も少し触れたのですが、スムーズ細分化で面貼りが無事実行された面は選択状態が解除されます。
逆に面貼りできなかった面が「この面は面貼りできませんでした、テヘペロ」ということで選択状態になります。
頂点の座標をコピー
無事に面貼りされて選択状態が全て解除された頂点を全選択し、Rounderの「モデル情報管理」のサブメニューにある「選択中の頂点の座標を記憶する」を実行し、四角面で細分化された各頂点の座標をコピーします。
前回保存したボディーをロード
前回、保存したBasisだけコピペ済みのボディーをロードします。
または、2-12からループして戻ってきた方は、2-11で保存したファイルを開きます。
この方が、改めてボディーをインポートしたり用が済んだボディーを削除したりなどの手間が省けます。
前回保存したモデル
コピペ先のシェイプキーを選択
ロードしたら「2-4」で選択したシェイプキーと同じシェイプキーを選択します。
下の例では、armlです。
尚、今回は、Basisの編集ではないので、ダミーのシェイプキーを作る必要はありません。
Basis以外のシェイプキーなら、直接いじっても水面下で他のシェイプキーに変な影響が及ぶということはありませんので直接コピペします。
コピー中の座標を適用
ということで、コピペ先のシェイプキーを直接選択したら、頂点を全選択して「選択中の頂点に近いコピー中の座標を適用」を実行します。
すると、Blenderが2分ほど固まります。
ですが、心配はいりません。
保存
Blenderのフリーズが解除されるとコピペが終わっていますので、この時点ではあえて修正などはせず即保存します。
下処理済みのボディーをロードしたら「2-4」へ
保存が済んだら、2-3で保存した下処理済みのボディーをロードし、2-4に戻って、まだコピペが済んでいない残りのシェイプキーに対して、それ以降の作業を行います。
下処理済みのボディー
コピペ前後の各シェイプキーの比較
それでは、Basisへの合成が反映されただけのものと、各シェイプキーごとに四角面で細分化した状態をコピペしたものとを同じ視点から見て頂きたいと思います。
尚、上がコピペ前、下がコピペ後の画像になります。
arml
armlだけではなく、全体的に言えることなのですが、それほど大きな違いは感じられないのですが、やはり、コピペ後の方が、線が滑らかになります。
hara
haraは、コピペ前後の違いが比較的感じられます。
munel
munelは、大サービスでたっぷりと、という意味ではないのですが、たっぷりご覧ください。
munelは、全体的には、胸の外周は改善されていますが、胸の内周の経線に波線が残っています。
ですが、大胸、概ね改善されていると思います。
では、ここからは、問題の山間と山麓ということで、まずは、山間こと谷間を上からご覧ください。
山間の方は、上側からだと改善されたように見えます、が……
下側からだと、改善されたところと、逆に貫通してしまった部分などが入り乱れる結果となっています。
お次のお山のふもとの方は……
山麓の方は、その前が酷かっただけに思った以上に改善さた印象です。
ということで、munelは、修正作業が思いやられる結果となってしまいました。
ちなみに、アイキャッチ画像の女の子のお山は、山間も山麓もバッチリ修正済みッス b
munes
munesは、特別サービスでドアップで、という意味ではないですが、ドアップで……
※上の2つの画像は、決して同じ画像ではありません。
munesは、近くで見比べても分からないほどわずかな違いしかありません。
munetare
次は、munetareです。
munetareは、VIP待遇で裏側も、という意味ではないですが、裏側も……
munetareは、初めから重なっている部分があるので、コピペしたら貫通やら重複やらで酷いことになるのではないかと戦々恐々だったんですが、意外となんともなかったです。
regfat
regmeet
regfatとregmeetも、コピペ前よりは、線がきれいになっています。
ということで、いかがでしたでしょうか。
今回の記事を見て、自分でCOM3D2のボディーをハイポリゴン化しようと思った方が減ったことは間違いないとは思いますが、中には、それでも自分でハイポリゴン化してみたいという方もいるかもしれないということで、次回はコピペが済んだボディーの修正箇所や修正方法などについて紹介したいと思います。
「自分は部分改造だけで結構です」という方にとっても、部分改造にも役立つRounderの機能やツールを紹介する内容になっていると思いますので、興味がありましたらまた読んで頂けたらと思います。
そして、Rounderのリリースについてですが、Rounderは、飽く迄も、個人が作っているプログラムですので、色々と至らないところもあるかと思いますので、Rounderを使うリスクやデメリットなどについても一通り説明してからリリースしたいと思っていますので、今月中を目途にもうしばらくお時間を頂ければと思います。
それでは、今回も最後まで読んで頂き、ありがとうございました。