「rounder 1.1」操作マニュアル
この記事では、先日リリースした「rounder 1.1」の各ツールについて、Blenderの説明文に書き切れなかった基本操作や機能の概要について、一通り紹介したいと思います。
尚、この記事では、なるべく簡潔な説明で「rounder 1.1」の全てのツールの使い方を一望して頂けるようにしたいため、前バージョン「Rounder 1.0」と根幹的に同じ機能については、過去記事へのリンクと相違点のみの記載とさせて頂きたいと思います。
目次
オリジナルのモデル情報
オリジナルのモデル情報を記憶する
編集の対象となるオブジェクトを選択して編集モードにして実行すると、そのメッシュの頂点の座標、頂点の法線、面の法線、UVの座標などをそのメッシュの初期状態として記憶します。このとき、頂点の選択などは不要です。
有効なオリジナルのモデル情報
記憶されたオリジナルのモデル情報は、頂点、辺、面の数が記憶した時点と一致している場合のみ有効です。
追加や削除によって頂点、辺、面の数が記憶した時点の数と一致しなくなると、記憶したオリジナルのモデル情報は無効となり、それを利用するツールは使用不可の状態になります。
尚、頂点、辺、面の追加や削除を一旦行い、その後、記憶した時点の数に戻した場合、記憶したオリジナルのモデル情報は有効に戻りますが、その場合、オリジナルのモデル情報を利用するツールの正常な動作は保証できません。
また、「辺を時計回りに回転」や「辺を反時計回りに回転」を使用した場合も、要素数は変わりませんが、Blender内部で記憶されている頂点、辺、面の順番が変動する恐れがあるため、オリジナルのモデル情報を利用するツールの正常な動作は保証できません。
エッジフロー前のモデル情報を記憶する
エッジフロー前のモデル情報として記憶させたいオブジェクトを選択し、編集モードにして実行すると、そのモデルの全ての頂点の座標をエッジフロー前のモデルの頂点として記憶します。
エッジフロー実行前のモデルの頂点と、エッジフロー実行後に追加された頂点を区別したいときや保護したいときに使用します。
シフトキーを押しながらこの機能を実行すると、「エッジフロー前の頂点の保護」を同時に有効にすることができます。
選択した頂点の座標を元に戻す
選択した頂点をオリジナルのモデル情報を記憶した時点の座標に戻します。
尚、この機能を使用するには、編集の対象となるモデルの有効なオリジナルのモデル情報が必要です。
選択した頂点のUVを元に戻す
選択した頂点のUVマップ上での座標をオリジナルのモデル情報を記憶した時点の座標に戻します。
尚、この機能を使用するには、編集の対象となるモデルの有効なオリジナルのモデル情報が必要です。
エッジフロー関連
エッジフロー
「Rounder 1.0」における「スムーズ細分化」に相当するツールです。
辺や面を全選択した状態で実行した場合、「エッジフロー前のモデル情報を記憶する」に相当する機能が自動で実行されます。
シフトを押しながら実行すると、「エッジフロー前の頂点の保護」を同時に有効にすることができます。
「エッジフロー時のUV補正」を有効にした状態で使用すると、エッジフロー実行時にUVを補正できます。この場合のUVの補正機能は、オリジナルのモデル情報を使用しない方式のため、オリジナルのモデル情報を予め記憶しておく必要はありません。
ただし、エッジフロー時のUV補正は、エッジフロー実行前に行ったメッシュの変更を反映させることはできません。
エッジフロー修正
「Rounder 1.0」における「任意の頂点で軌道を修正する:並列」「任意の頂点で軌道を修正する:直列」に相当するツールです。
通常の実行で並列、シフトを押しながら実行すると直列で処理します。
エッジフロー修正:ワンサイド
「Rounder 1.0」における「ヴァレー処理:反対側で検出された角度を適用」と「クレスト処理:角度0を適用」を統合したツールです。
通常の実行で「ヴァレー処理」、シフトキーを押しながら実行すると「クレスト処理」になります。
エッジフロー修正:クロス(クロス・エッジフロー)
基本的な使い方は、「Rounder 1.0」における「2つの軌道の中点上に移動」と同じですが、処理結果は異なります。
通常のエッジフローは、ターゲットの頂点の両隣の頂点同士を結んだ直線を三角形の底辺とし、最終的には底辺の中間における高さを求める計算を行います。(中略)
通常のエッジフローで求められる座標は、いわば、底辺からの高さのピークであり、求める高さが底辺上の中点ではなく他の点だった場合、その点が中点から離れるに連れて、その高さは円軌道を描いて低下するはずなので、クロス・エッジフローでは、それを考慮した座標にターゲットの頂点を移動させます。
尚、厳密には、1本目と2本目の交点における高さではなく、2本目のエッジフローで割り出した座標を、1本目のエッジフローにおける前述の三角形の底辺上に垂直に下した場合の位置を割り出し、底辺のその位置における1本目のエッジフローの高さを計算したものとなります。
感覚的には、1本目の経路でエッジフロー特有の丸み付けなどの基本的な部分が決まり、2本目の経路で位置と高さを補正すると覚えて頂ければ良いかと思います。
選択パターン
下の図のように、両サイド×両サイド、ワンサイド×両サイド、ワンサイド×ワンサイドによるクロス・エッジフローも可能です。
どのパターンで処理されるかは、アクティブにされている頂点の数によって自動で決まります。
アクティブにされた頂点が9個なら両サイド×両サイド、8個ならワンサイド×両サイド、7個ならワンサイド×ワンサイドと判定されて処理されます。
尚、クロス・エッジフローは、複数組をまとめて処理することはできません。
また、8個のワンサイド×両サイドの場合、必ず、前半の4個の頂点でワンサイド、後半の4個の頂点と前半の2番目の頂点を合わせて両サイドの形になるように指定します。
両サイド×ワンサイドでクロス・エッジフローを行いたい場合は、前述のワンサイド×両サイドの形になるように頂点をアクティブにし、Altキーを押しながら実行すると、前半と後半を入れ替えてクロス・エッジフローが実行されます。
前後入れ替え
Altキーによる前後入れ替えは、両サイド×両サイド、ワンサイド×ワンサイドの場合も使用できます。
ちなみに、クロス・エッジフローは、どの選択パターンでも、前半と後半が入れ替わると処理結果が変わります。
参照する頂点の座標
オリジナルのモデル情報を記憶した場合、アクティブにされた各頂点の現在の座標ではなく、オリジナルのモデル情報を記憶した時点の座標を使って、クロス・エッジフローが実行され、シフトキーを押しながら実行した場合に、頂点の現在の座標を使ってクロス・エッジフローが実行されます。
尚、各種設定の「エッジフロー修正のオリジナル参照操作」の設定で、この操作を入れ替えることができます。
オリジナルのモデル情報が記憶されていない場合は、操作や設定に関わらず、現在の頂点の座標でクロス・エッジフローが実行されます。
エッジフロー修正:フラット
2番目にアクティブにされた頂点を1番目と3番目にアクティブにされた頂点の中間に移動させます。
直列処理
シフトを押しながら実行すると、[1、2、3][2、3、4][3、4、5]のパターンで前述の処理を行います。
尚、この処理は、1番目の頂点から最後の頂点までの間の頂点を一気に一直線上に並べてフラットな面にする処理ではなく、徐々に平坦化されていく処理となります。
最短パス選択等における直列処理
最短パス選択で選択状態にされた頂点を最後にアクティブにされた頂点からリンク順に1、2、3、4……として扱い、直列処理させることができます。
リンクが途切れた場合は、途切れるまでに辿れた頂点のみの処理となります。
最短パス選択に限らず、アクティブにされた頂点が最低1つあり、選択された頂点の数とアクティブにされた頂点の数が一致しない場合にこの処理が適用されます。
フォーク・エッジフロー
選択したい経路の片端がYの字に枝分かれしていて真っ直ぐな経路を作れない場合に対して、全てのエッジフロー修正ツールにフォーク・エッジフローという機能を追加しました。
フォーク・エッジフローとは、通常よりも1つ多くの頂点をアクティブにし、Ctrlキーを押しながら実行すると、1番目と2番目の頂点を、その2つの頂点の平均値を持った仮想の頂点に置き換えて、エッジフローを実行する機能です。
実際の選択順 内部での処理
尚、複数組をまとめて処理できる修正ツールであっも、フォーク・エッジフローを適用できるのは最初の1組のみです。
検索関連
オリジナルの頂点を検索する
選択された頂点が「オリジナルのモデル情報を記憶する」によって記憶された頂点の座標のいずれかと一致していた場合、選択状態になります。
また、シフトキーを押しながら実行すると、記憶されている座標のどれにも一致しなかった頂点が選択状態になります。
エッジフロー前の頂点を検索する
選択された頂点が「エッジフロー前のモデル情報を記憶する」によって記憶された座標のいずれかと一致していた場合、選択状態になります。
また、シフトキーを押しながら実行した場合、選択した頂点がエッジフローによって新たに追加された頂点の追加直後の座標のいずれかと一致していた場合、選択状態になります。
重複している頂点を検索する
選択した頂点が他の頂点と重複する座標にあった場合、選択状態になります。
また、シフトを押しながら実行した場合は、選択した頂点と座標が一致する全ての頂点が選択状態になります。
任意のモデルの頂点と一致しない頂点を検索
選択した頂点が「任意のモデル情報を記憶する」によって記憶された頂点の座標のどれにも一致していなかった場合、選択状態になります。
左右対称でない頂点を検索する
選択した頂点と左右対称になる頂点が存在していなかった場合、選択状態になります。
また、シフトキーを押しながら実行した場合、選択した頂点に左右対称になる頂点が存在していた場合、もう片方の頂点も選択状態になります。
左右対称化
選択した頂点を左右中央に揃える
選択されている頂点のうち、x座標が±0.001の範囲内にある頂点のx座標を0.0に揃えます。
近似±0.01 ~ 近似±0.0000001
x、y、z全ての値が実行した近似値以内だった頂点同士の各成分同士を平均化して左右対称にします。
任意の頂点で左右対称にする
1番目にアクティブにされた頂点の座標を左右反転させて、2番目にアクティブにされた頂点に適用します。
反転コピー
任意の頂点の座標を左右反転させて記憶します。
反転ペースト
反転コピーで記憶した座標を任意の頂点に適用します。
左右対称化の手順
左右対称にしたい部分の頂点を選択状態にし「左右対称でない頂点を検索する」を実行します。
選択状態のままになっている頂点に対し、「近似±0.0000001」を実行し、再び「左右対称でない頂点を検索する」を実行します。
選択状態のままになっている頂点がまだ残っていたら、今度は「近似±0.000001」「近似±0.00001」「近似±0.0001」……「近似±0.001」と誤差の許容範囲を拡げていき、その都度、「左右対称でない頂点を検索する」で選択状態のままになっている頂点の有無を確認します。
選択状態のままになっている頂点が全て、左右中央に来るべき頂点のみになったら「選択した頂点を左右中央に揃える」を実行し、「左右対称でない頂点を検索する」で処理結果を確認します。
ここまでの工程を経ても選択状態になっている頂点がある場合は、「任意の頂点で左右対称にする」「反転コピー」「反転ペースト」などで左右対称にします。
任意のモデル情報
主に、別のモデルの形状を、また別のモデルに移植する目的で使用するツールで群です。
このツール群に相当する前バージョンのものは、記憶する際も、貼り付ける際も、編集モードにおける頂点の座標のみで行っていたため、移植元のモデルや移植先のモデルがオブジェクトモードで原点以外の座標にあった場合、その分、ズレた位置に形状が移植されるという不備がありましたが、本バージョンでは、その点について改良しました。
任意のモデル情報を記憶する
移植元のモデルの選択されている頂点の座標を記憶します。
任意のモデル情報をクリアする
任意のモデル情報をクリアします。
記憶中の近似の座標に貼り付ける
選択されている頂点を、任意のモデル情報として記憶されている座標の中から最も近い座標に移動させます。
尚、任意のモデル情報がクリアされていて、なおかつ、オリジナルのモデル情報が記憶されていた場合、オリジナルのモデル情報として記憶されている座標に貼り付けされます。
フィット・アジャスター
このツールは、上着などのモデルからはみ出す下着などモデルの任意の部分をボディー素体にくっつけたり、逆に、下着やボディーにめり込んでる部分を引き離したりするのが主な用途です。
このツールを使用する前の準備としては、以下の通りです。
- ボディー素体の任意の頂点を選択し「任意のモデル情報を記憶する」を実行(必須)
- 編集の対象となる下着モデルに対し、「オリジナルのモデル情報を記憶する」を実行(推奨)
- 必要に応じて、上着などをのモデルをインポート(②のはみ出し確認用)
2のモデルを選択して編集モードに切り替え、編集したい頂点を選択して実行すると、ヘッダー領域に下図のテキストが表示されます。
尚、このツールの基本操作に関しては、「トゥルー・ジャスト・アジャスター」をご参照ください。
また、このツールに関する以下の説明は、各ファンクションとパラメーターのみとなります。
F1:標準
選択されている個々の頂点の元々の座標から、その頂点に最も近い任意のモデル情報の座標へのベクトルを基準に、個々の頂点を移動させます。
フィット率(メイン・パラメーター)
選択されている個々の頂点の元々の座標を0%とし、その頂点に最も近い任意のモデル情報の座標を100%として、-100%~100%の範囲で値を調整できます。
マージン(サブ・パラメーター)
フィット率に関わらず、必ずこの値の距離だけ頂点が移動します。
値の範囲は、-100~100までです。
この値がプラスになると基準となるベクトルへ移動し、マイナスになると基準となるベクトルの逆の向きへ移動します。
尚、このツールは、全てのファンクションで共通のパラメーターを使用しているため、これ以降の説明は割愛します。
F2:半平均
選択されている頂点の「F1:標準」のベクトルと、選択されている頂点全てのベクトルを平均化したものをさらに平均化したベクトルを基準に、個々の頂点を移動させます。
ポリゴンフローの歪みを半減させてボディー素体に近づけたり遠ざけたりしたい場合などに使用します。
F3:平均
選択されている個々の頂点の「F1:標準」のベクトルを平均化したベクトルを基準に、個々の頂点を移動させます。
ポリゴンフローを歪ませることなく、全ての頂点を一定方向にフィットさせたい場合に使用します。その場合、マージンで移動させることを推奨します。
F4:面法線
個々の頂点に隣接する面の初期法線(オリジナルのモデル情報を記憶した時点の面の法線)の中から、個々の頂点の「F1:標準」のベクトルと最も近いベクトルを基準に、個々の頂点を移動させます。
主に肩紐など、型崩れを抑えて、ボディー素体に近づけたり遠ざけたりする際に使用します。その場合、マージンでの移動を推奨します。
ちなみに、隣接する面の範囲は、個々の頂点の先隣り(隣の隣)までとなります。
尚、この機能を使用するには、編集の対象となるモデルの有効なオリジナルのモデル情報が必要です。
ヘム関連
主に、シャツやスカートなどの広がり具合を調整するためのツールです。
ヘム・スウィング
1番目にアクティブにされた頂点を中心に回転、または、疑似回転させます。主にスカートやシャツの裾の広がり具合を調整する用途で使用します。
尚、この機能を使用するには、編集の対象となるモデルの有効なオリジナルのモデル情報が必要です。
2つ以上の頂点をアクティブにして(最短パス選択も可)、このツールを実行すると、ヘッダー領域に下図のテキストが表示されます。
尚、このツールの基本操作に関しては、「トゥルー・ジャスト・アジャスター」をご参照ください。
また、このツールに関する以下の説明は、各ファンクションとパラメーターのみとなります。
F1:回転
角度(メイン・パラメーター)
最初にアクティブにされた頂点(最短パス選択の場合は最後の頂点)を中心にその他の頂点を、-360度~360度の範囲で回転させます。
追従範囲(サブ・パラメーター)
選択されている個々の頂点を中心にこの値の範囲内にある頂点を、個々の頂点が移動した方向へ追従させます。追従可能な範囲は、個々の頂点を中心に半径1.0以内です。
選択されている頂点と重なっている頂点や表裏の関係にある頂点をまとめて同じ方向へ移動させるために使用します。
尚、このパラメーターは、「F1:回転」「F2:引く」「F3:直線」「F4:降下」「F5:上昇」で共用です。
F2:引く
角度(メイン・パラメーター)
最初にアクティブにされた頂点(最短パス選択の場合は最後)を中心に2番目の頂点を回転させ、その他の頂点は、2番目の頂点に引きずられる形で移動します。
引きずられる頂点の移動の規則は、例えば、その頂点が3番目の頂点だった場合、2番目と3番目の頂点の初期の間隔(オリジナルのモデル情報を記憶した時点の間隔)よりも、2番目と3番目の頂点の現在の距離が離れていた場合、2番目の頂点へ向かって初期の間隔と同じになるように移動させます。
ちなみに、2番目の出っ張った頂点は、「エッジフロー修正:ワンサイド」や「ダイレクト・フォローアップ:複合」などで整えます。
尚、このパラメーターは、「F1:回転」と共用です。
F3:直線
モーフ率(メイン・パラメーター)
1番目の頂点と2番目の頂点を通る直線上に、他の全ての頂点が並んだときの状態を100%として、この値の割合だけ、個々の頂点を移動させます。
尚、100%のときの個々の頂点の間隔は、初期の間隔となります。
F4:降下
モーフ率(メイン・パラメーター)
2番目以降の全ての頂点が1番目の頂点の真下に並んだ状態を100%として、この値の割合だけ、個々の頂点を移動させます。
尚、100%のときの個々の頂点の間隔は、初期の間隔となります。
F5:上昇
高さ(メイン・パラメーター)
最後尾の頂点をこの値の距離だけ真上に移動させ、最後尾の頂点とその1個前の頂点の間隔が初期の間隔よりも大きくなった場合、1個前の頂点が最後尾の頂点に引きずられる形で移動し、最後尾から1個前と2個前の頂点の間隔、最後尾から2個前と3個前の頂点の間隔……も同様に一つ前の頂点に引きずられる形で移動します。
F9:中心
「F9:中心」「F10:反時計」「F11:時計」の3つのファンクションは、「F1:回転」「F2:引く」の回転方向を選択するためのラジオボタンとして機能します。
「F1:回転」と「F2:引く」において、中心へ向かって回転させるようにします。
尚、デフォルトでは、1番目の頂点から2番目の頂点へ向かうベクトルと、1番目の頂点からデフォルトの中心座標(x=0.0、y=0.0、z=1番目の頂点のz座標の値)へ向かうベクトルの外積が回転軸になります。
また、中心の座標は、「集束方向を任意で設定」で変更することもできます。
F10:反時計
「F1:回転」と「F2:引く」において、1番目の頂点から上下に伸びる直線を回転軸として、反時計回りに個々の頂点を回転させるようにします。
F11:時計
「F1:回転」と「F2:引く」において、1番目の頂点から上下に伸びる直線を回転軸として、時計回りに個々の頂点を回転させるようにします。
左右対称の頂点を時計回り/反時計回りのどちらかで回転させた場合、その反対側の頂点を同じ順番でアクティブにしてこのツールを実行し、「Enter」キーで前の確定した状態をロードし、時計回り/反時計回りを切り替えれば、反対側もシンメトリーに回転させることができます。
ヘム・スケーリング
上下片側ごとにスケーリングを行うツールで、主にスカートやシャツの形状を変形させるために使用するツールです。
頂点を1つ以上選択してこのツールを実行すると、ヘッダー領域に下図のテキストが表示されます。
尚、このツールの基本操作に関しては、「トゥルー・ジャスト・アジャスター」をご参照ください。
また、このツールに関する以下の説明は、各ファンクションとパラメーターのみとなります。
パラメーターについて
このツールの「F12:同期」を除くファンクションの各パラメーターは、メイン/サブそれぞれ名前は同じですが独立したパラメーターです。
始点側(メイン・パラメーター)
このパラメーターを操作すると、設定されている終点から始点側にある頂点程、各ファンクションでの拡縮率が大きくなります。
尚、始点のデフォルトは、(x=0.0、y=0.0、z=1.0)です。
終点側(サブ・パラメーター)
このパラメーターを操作すると、設定されている始点から終点側にある頂点程、各ファンクションでの拡縮率が大きくなります。
尚、終点のデフォルトは、(x=0.0、y=0.0、z=-1.0)です。
画像について
各ファンクションで掲載している画像は、下図の形状を変形させたものです。
スケーリング前の形状
F1:全体1次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、全体的に1次関数のグラフの形状で拡縮されます。
F2:全体2次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、全体的に2次関数のグラフの形状で拡縮されます。
F3:全体3次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、全体的に3次関数のグラフの形状で拡縮されます。
「F2:全体2次拡縮」と「F3:全体3次拡縮」のパラメーターの組み合わせ次第で複雑な形状に変形させることができます。
F5:前側1次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、前側の頂点のみ1次関数のグラフの形状で拡縮されます。
F6:後側1次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、後ろ側の頂点のみ1次関数のグラフの形状で拡縮されます。
F7:両サイド1次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、両サイドの頂点のみ1次関数のグラフの形状で拡縮されます。
F9:伸縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、始点と終点を通る直線方向へ伸縮されます。
F10:伸縮バランス
このファンクションのパラメーターを操作すると、前後の伸縮バランスを変更できます。
F12:同期
トグルボタンとして存在するファンクションで、このファンクションを有効にすると、始点側と終点側を連動させることができます。
上の画像は、同期を有効にし、「F1:全体1次拡縮」「F3:全体3次拡縮」「F10:伸縮バランス」のパラメーターを操作したものです。
Q:前側1次拡縮
「F5:前側1次拡縮」と同じです。
W:前側2次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、前側の頂点のみ2次関数のグラフの形状で拡縮されます。
E:前側3次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、前側の頂点のみ3次関数のグラフの形状で拡縮されます。
A:後側1次拡縮
「F6:後側1次拡縮」と同じです。
S:後側2次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、後ろ側の頂点のみ2次関数のグラフの形状で拡縮されます。
D:後側3次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、後ろ側の頂点のみ3次関数のグラフの形状で拡縮されます。
Z:両サイド1次拡縮
「F7:両サイド1次拡縮」と同じです。
X:両サイド2次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、両サイドの頂点のみ2次関数のグラフの形状で拡縮されます。
C:両サイド3次拡縮
このファンクションのパラメーターを操作すると、両サイドの頂点のみ3次関数のグラフの形状で拡縮されます。
始点/終点の任意設定
「ヘム・スウィング」と「ヘム・スケーリング」のオプション設定です。
集束方向を任意で設定
選択されている頂点の平均座標から上下に伸びる直線を「ヘム・スウィング」で「F9:中心」が選択されている際の「F1:回転」と「F2:引く」回転方向(スカートをすぼめる際の中心)に設定します。
シフトを押しながら実行するとデフォルトの座標(x=0.0、y=0.0)にリセットされます。
始点側の座標を任意で設定
選択されている頂点の平均座標を「ヘム・スケーリング」の始点の座標として設定します。
シフトを押しながら実行するとデフォルトの座標(x=0.0、y=0.0、z=1.0)にリセットされます。
終点側の座標を任意で設定
選択されている頂点の平均座標を「ヘム・スケーリング」の終点の座標として設定します。
シフトを押しながら実行するとデフォルトの座標(x=0.0、y=0.0、z=-1.0)にリセットされます。
始点と終点を変更した場合のヘム・スケーリングの挙動
通常、「ヘム・スケーリング」の始点と終点は、上端や下端など、変形させたいメッシュのどちらかの端をそれぞれ始点か終点に設定することで、スカートやシャツの広がり具合の調整という本来の目的に合った挙動をさせることができます。
しかし、敢えて、始点や終点を本来、推奨している部位からずれた位置に設定すると、より複雑な形に変形することができます。
下の画像は、左上の画像を始点、右上の画像を終点に設定し、ループカットしたプリミティブの円柱に「F1:全体1次拡縮」の始点側の値を150%に設定した場合の画像です。
フォローアップ
このツール群の基本的な概念は、衣服などのように表面と裏面が存在するモデルのどちらかの面を編集した際、先に編集した面に合わせて他方の面も同じように編集したい場合などに、後追いで編集するためのツール群です。COM3D2の衣服などに見られる重複している頂点に対しても有効です。
このツールは、オリジナルのモデル情報を記憶した時点の各頂点の座標と、各頂点の現在の座標から、ベクトル、回転軸と角度、隣接する頂点との元々の距離などを割り出して、他方の面や他の重複する頂点に同様の変更を加えます。
尚、この機能を使用するには、編集の対象となるモデルの有効なオリジナルのモデル情報が必要です。
また、以下の説明を簡略化するために、初期、または、初期状態という表記があった場合、『「オリジナルのモデル情報を記憶する」を実行した時点』を指すものとします。
ダイレクト・フォローアップ
頂点を2つずつアクティブにして実行すると、1番目の頂点の初期状態からの移動と同じ移動を、2番目の頂点にも行います。
このとき、通常の実行の場合、1番目の頂点の移動を、2番目の頂点の初期状態に適用した座標となり、シフトキーを押しながら実行した場合、2番目の頂点の現在に適用した座標となります。
ダイレクト・フォローアップ:直列
頂点を2つ以上アクティブにして実行すると、1番目の頂点の初期状態からの移動を、2番目以降にアクティブにされた全ての頂点の初期状態の座標に適用します。
尚、シフトキーを押しながら実行した場合は、現在の頂点に適用します。
また、最短パス選択での処理も可能です。
ダイレクト・フォローアップ:複合
頂点を3つずつアクティブにして実行すると、1番目の頂点の初期状態からの移動と、3番目の頂点の初期状態からの移動を合成して、2番目の頂点の初期状態の座標に適用します。
尚、シフトキーを押しながら実行した場合は、現在の頂点に適用します。
移動情報を複製する
選択されている全ての頂点における、初期状態から現在の座標へ向かうベクトルの平均を移動フォローアップの移動方向に設定します。
移動フォローアップ
選択されている全ての頂点を初期状態の座標から「移動情報を複製する」で設定されている移動方向へ移動さた座標へ移動させます。
シフトを押しながら実行すると、選択されている全ての頂点を現在の座標から「移動情報を複製する」で設定されている移動方向へ移動させます。
ちなみに、ダイレクト・フォローアップは、移動フォローアップを簡便化したものです。
回転情報を複製する:中心点
先立って回転操作されたメッシュの一部分のうち、回転の中心点となった部分を選択して実行します。
このとき選択されている頂点の平均座標が回転の中心点として設定されます。
回転情報を複製する:軸と角度
先立って回転操作されたメッシュの一部分のうち、回転の中心点以外の頂点をどれか一つ選択して実行します。
このとき、「回転情報を複製する:中心点」で設定した中心点から選択されている頂点の初期状態の平均座標へ向かうベクトルと、中心点から選択されている頂点の現在の平均座標へ向かうベクトルの外積が回転軸、なす角が角度として設定されます。
回転の中心点を任意で設定
選択されている全ての頂点の平均を「回転フォローアップ」の中心点に設定します。
尚、シフトキーを押しながら実行するとデフォルトの設定にリセットされます。
この設定がデフォルトの状態で「回転フォローアップ」を実行した場合、選択されている頂点の平均の座標を中心点として回転が実行されます。
例えば、リボンなどの装飾品を選択物の中心ではなく、布地になどに接地されている部分を中心にを回転させたい場合に、この設定を変更します。
回転フォローアップ
「回転情報を複製する:中心点」と「回転情報を複製する:軸と角度」をもとに抽出された回転を、選択されている全ての頂点に適用します。
このツールの主な用途は、「ヘム・スウィング」などで回転させたスカートの生地に合わせて、そこに付いていたリボンなどの装飾品を同じように回転させたい場合などに使用します。
距離復元フォローアップ
頂点を2個ずつアクティブにして実行すると2番目の頂点を、1番目と2番目の現在の座標を通る直線上、かつ、1番目と2番目の初期状態の間隔になる位置に移動させます。
距離復元フォローアップ:直列
「距離復元フォローアップ」を直列処理(最短パス選択も可)で実行します。
ドラッグ・フォローアップ
「距離復元フォローアップ」が、1番目と2番目の現在の間隔が、大小にかかわらず初期状態の間隔と一致しない場合に処理されるのに対し、「ドラッグ・フォローアップ」は、1番目と2番目の現在の間隔が初期状態の間隔よりも大きい場合のみ処理されます。
ドラッグ・フォローアップ:直列
「ドラッグ・フォローアップ」を直列処理(最短パス選択も可)で実行します。
左右対称フォローアップ
選択されている頂点の初期状態に左右対称の頂点が存在する場合、もう片方の頂点に選択されている頂点の現在の座標を左右反転させて適用します。
シフトキーを押しながら実行した場合、初期状態が左右対称の頂点のうち、初期状態から変更された頂点の座標を、初期状態から変更されていない頂点に左右反転させて適用します。
尚、どちらの頂点も初期状態から変更されていた場合は、一切処理は行いません。
また、シフトを押しながら実行する場合は、頂点の選択は不要です。
重複フォローアップ
選択されている頂点の初期状態に重複する頂点が存在する場合、他の重複する頂点に、選択されている頂点の現在の座標を適用します。
シフトキーを押しながら実行した場合、初期状態の座標が重複している頂点のうち、初期状態から変更された頂点の座標を、初期状態から変更されていない頂点に適用します。
尚、どちらの頂点も初期状態から変更されていた場合は、一切処理は行いません。
また、シフトを押しながら実行する場合は、頂点の選択は不要です。
フォローアップ・アジャスター
選択されている頂点を、初期状態の座標と現在の座標との間で移動させます。
編集した箇所の初期状態と現在の違いを確認したい場合や、加えた変更を微調整したい場合などの用途で使用します。
頂点を1つ以上選択して実行すると、ヘッダー領域に下図のテキストが表示されます。
尚、このツールの基本操作に関しては、「トゥルー・ジャスト・アジャスター」をご参照ください。
また、このツールに関する以下の説明は、各ファンクションとパラメーターのみとなります。
F1:範囲内調整
率(メイン・パラメーター)
この値が0%のときを初期状態、100%のときを現在の状態とし、0%~100%の範囲で値を調整できます。尚、このファンクションにサブ・パラメーターは存在しません。
F2:拡張調整
率(メイン・パラメーター)
0%を初期状態、100%を現在の状態とし、-500%~500%の範囲で値を調整できます。
値(サブ・パラメーター)
初期状態と現在の座標を通る直線上を長さで調整します。調整範囲は、-100~100です。
UV更新
オリジナルのモデル情報を記憶した時点からのメッシュの変更を、オリジナルのモデル情報を記憶した時点のUVに反映させます。
三角面モデルのエッジフローに関して
三角面のモデルを直接エッジフローで細分化するとポリゴンフローが乱れるため、「三角面を四角面に」を実行してからエッジフローを実行したモデルの頂点の座標を、インポートし直したモデルに移植する方法を過去の記事で紹介しております。
その場合の「UV更新」についてですが、インポートし直したモデルに対して、そのまま普通の細分化を実行した直後の状態をオリジナルのモデル情報として記憶します。(そのままとはいえシェイプキーはBasisのダミーで行います)
その後に、移植や必要な編集を済ませ、ダミーの形状をBasisに合成し、「UV更新」実行します。(ダミーの合成と「UV更新」の順番は逆でも可)
ユーティリティー
簡易記憶と復元
選択した頂点を後で今の座標に戻したいときに使用するためのツールです。
例えば、何かしらの手違い(オリジナルのモデル情報を記憶し忘れていたり、うっかりBasisを編集していたりなど)で、せっかく編集したメッシュを元の状態に戻し、最初からやり直さなければならなくなった際に、開き直したモデルにこれまでの編集を移植したい場合などに使用します。
記憶する際は、後で今の座標に戻したい頂点のみを選択し、シフトを押しながら実行します。
復元する際は、通常の実行で復元します。その際、頂点の選択などは必要ありませんが、記憶を行った全ての頂点が記憶したときの座標に戻ります。
尚、記憶した復元情報は、編集の対象となるモデルの頂点、辺、面の数が記憶した時点と一致している間のみ有効です。
簡易記憶と検索
主に、処理が重い検索ツールの検索結果(選択されている頂点)を記憶し、再表示させるために使用するツールです。
記憶する際は、後で検索(選択状態に)したい頂点を選択し、シフトキーを押しながら実行します。
検索する際は、通常の実行で検索します。
尚、記憶した検索情報は、編集の対象となるモデルの頂点、辺、面の数が記憶した時点と一致している間のみ有効です。
頂点を法線上に移動
選択されている頂点を、その頂点の法線上に移動させます。
頂点を1つ以上選択してこのツールを実行すると、ヘッダー領域に下図のテキストが表示されます。
尚、このツールの基本操作に関しては、「トゥルー・ジャスト・アジャスター」をご参照ください。
また、このツールに関する以下の説明は、各ファンクションとパラメーターのみとなります。
このツールは、ミラー編集が可能です。
F1:現在の法線
選択されている頂点を、その頂点の現在の法線上に移動させます。
高さ(メイン・パラメーター)
選択されている頂点をこの値の距離だけ、その頂点の法線上を移動させます。
尚、このパラメーターは、「F2:初期法線」と共用です。
追従範囲(サブ・パラメーター)
「F5:追従」が有効の場合、選択されている全ての頂点の中心からこの値の範囲にある頂点が、選択されている頂点の移動に引きずられて移動します。
尚、このパラメーターは、「F2:初期法線」と共用です。
F2:初期法線
選択されている頂点を、その頂点のオリジナルのモデル情報を記憶した時点の法線上に移動させます。
尚、この機能を使用するには、編集の対象となるモデルの有効なオリジナルのモデル情報が必要です。
F5:追従
選択されている頂点の法線上の移動に周囲の頂点が引っ張られる形で移動します。
尚、この機能を使用するには、編集の対象となるモデルの有効なオリジナルのモデル情報が必要です。
また、この機能が有効の場合、ミラー編集は適用されません。
左右の頂点を中央に密着させる
選択されている頂点を左右中央に寄せます。
頂点を1つ以上選択してこのツールを実行すると、ヘッダー領域に下図のテキストが表示されます。
尚、このツールの基本操作に関しては、「トゥルー・ジャスト・アジャスター」をご参照ください。
また、このツールに関する以下の説明は、各ファンクションとパラメーターのみとなります。
尚、このツールは、ファンクションが1つしかないため、ファンクション・ガイドは表示されません。
このツールは、ミラー編集が可能です。
主な機能とパラメーター
密着の間隔(メイン・パラメーター)
この値が、選択されている個々の頂点のx座標の値にそのまま適用されます。(適用比率100%時)
その際の符号は、このツールを実行する直前のx座標の符号が適用されます。
適用比率(サブ・パラメーター)
選択されている頂点の当初の座標と密着の間隔の座標の間をこの値の割合で移動させます。
選択した2点で面を分割
頂点を2個ずつアクティブにして実行すると、1番目の頂点と2番目の頂点の間に辺が挿入されます。
ただし、1番目の頂点と2番目の頂点の間に辺がある場合は、処理を行いません。
選択した2点で面を分割:直列
「選択した2点で面を分割」を直列で実行します。
2つの頂点の位置を入れ替える
頂点を2個ずつアクティブにして実行すると、1番目の頂点と2番目の頂点の座標を入れ替えます。
別の重複頂点を選択する
重複している頂点のうち、現在選択されていない頂点のうちのどれかを選択状態にします。
重なっていて選択できないほうの頂点を透過表示にしなくても選択状態にするためのツールです。
頂点を重複させる
頂点を2個ずつアクティブにして実行すると、1番目の頂点の座標に2番目の頂点を移動させます。
このとき、2番目の頂点の座標に他にも複数の頂点がある場合、それら全ての頂点を1番目の座標に移動させます。
尚、このツールは、ミラー編集が可能です。
各種設定
各種設定の操作は全て、通常の実行で有効、シフトを押しながらの実行で無効に切り替えます。
エッジフロー前の頂点の保護 有効/無効
エッジフローを実行したモデルに最初からあった頂点をエッジフロー修正ツールによる変更から保護したいときに有効にします。
エッジフロー時のUV補正 有効/無効
エッジフロー実行時に、直接、UVを補正したいときに有効にします。
エッジフロー修正のオリジナル参照操作 通常/シフト
オリジナルのモデル情報を記憶した際、オリジナルのモデル情報で記憶している初期の頂点の座標を使ってクロス・エッジフローを実行する機能を、通常の実行で行うか、シフトキーを押しながらの実行で行うかを設定します。
ミラー編集 有効/無効
一部のツールのミラー編集機能を使用したい場合に有効にします。
ミラー編集機能とは、編集の対象となる頂点に、左右対称となる対の頂点が存在していた場合、その頂点の変更をもう片方の頂点に左右反転させて適用する機能です。
ちなみに、ミラー編集機能を使用できるツールは、「エッジフロー修正:〇〇〇」と「頂点を法線上に移動」「左右の頂点を中央に密着させる」「頂点を重複させる」のみです。
トゥルー・ジャスト・アジャスター
「トゥルー・ジャスト・アジャスター」とは、「rounder 1.1」において、パラメーターの調整を動的に行うツールの統一仕様です。
特徴
「トゥルー・ジャスト・アジャスター」は、10、1、0.1……0.000001までの好みの精度で連続した変化を見ながら、ジャストな値に調整することが本当にできます。
表示内容
「トゥルー・ジャスト・アジャスター」で実装されているツールを実行すると、Blenderのヘッダー領域に下図のようなテキストが表示されます。
画像は「ヘム・スウィング」実行時の表示
このテキストは、下図のように、緑色で囲った部分、水色で囲った部分、橙色で囲った部分の3つの部分に分けられ、緑色の部分をメイン・パラメーター、水色の部分をサブ・パラメーター、橙色の部分をファンクション・ガイドと呼びます。
メイン・パラメーター
①と②を合わせた部分がメイン・パラメーターです。
値の調整
「マウスホイール」を回転させると①の値が②の値で増減します。
調整単位の変更
方向キー「←」「→」で②の値を変更できます。
リセット
「スペース」キーを押すと、①の値が初期値にリセットされます。
サブ・パラメーター
③と④を合わせた部分がサブ・パラメーターです。
値の調整
シフトキーを押しながら「マウスホイール」を回転させると③の値が④の値で増減します。
尚、ツールやファンクションによっては、メイン・パラメーターしか存在しないものもあります。
調整単位の変更
④の値は、シフトを押しながら方向キー「←」「→」、または、方向キー「↑」「↓」で変更できます。
リセット
シフトを押しながらスペースキーを押すと、③の値が初期値にリセットされます。
ファンクション・ガイド
「トゥルー・ジャスト・アジャスター」で実装されているツールの多くは、1つのツールに複数の機能を持っているものがほとんどです。
⑤のファンクション・ガイドには、それらを切り替えるためにどのキーを押せばよいのかが、機能ごとに「呼び出しキー:ファンクション名」という構文で表示されます。
また、ファンクション・ガイドに表示されているものの中には、キーを押すごとに2つの状態が切り替わるトグルボタンや、複数の項目の中から1つを選択状態にするラジオボタンとして存在しているものがあります。
選択されているファンクションは、[]カッコで囲まれて表示されます。
トグルボタンは、有効にされると[]カッコで囲まれます。
ラジオボタンは、選択された項目が[]カッコで囲まれます。
全般
以下は、「トゥルー・ジャスト・アジャスター」全般に関する機能と操作方法です。
確定・キャンセル
操作を確定させたい場合は「左クリック」で確定、キャンセルしたい場合は「右クリック」でキャンセルします。
オールリセット
「Esc」キーを押すと、全てのパラメーターの値がデフォルトの値にリセットされます。ただし、トグルボタンとラジオボタンの状態は、リセットされません。
尚、一部のパラメーターは、この操作でリセットされないものもあります。
完全リセット
「Delete」キーを押すと、全てのパラメーターが例外なくリセットされます。
尚、個々のパラメーターの調整単位は、リセットされません。
臨時ジャンプ
「Alt」キーを押している間のみ、個々のパラメーターの実際の調整単位を1段階上げて調整することができます。
値の変化によるメッシュの変化を大まかに見たい場合などに使用します。
操作反転
メイン・パラメーターの操作とサブ・パラメーターの操作を逆転させます。
ガイド反転
「Insert」キーを押している間だけ、他方のファンクション・ガイドが表示されます。
尚、ファンクション・ガイドの末尾に「…etc[Insert]」と表示されている場合、F1~F12以外のキーに割り当てられたファンクションが存在することを意味します。
最終状態の再現
「Enter」キーを押すと、そのツールを最後に確定させたときの状態が再現されます。
「Back Space」キーを押すと、確定・キャンセルに関わらず、そのツールを最後に使用したときの状態が再現されます。
視点操作
「Ctrl」キーを押しながらマウスを移動させると、実行中でも視点を回転させることができます。
「Ctrl」キーを押しながらマウスホイールを回転させると、実行中でも視点のズームができます。
操作方法早見表
パラメーター
メイン・パラメーター操作 | サブ・パラメーター操作 | |
---|---|---|
値の調整 | [ホイール] | [Shift + ホイール] |
調整単位の変更 | [←] [→] | [Shift + ←] [Shift + →] [↑] [↓] |
リセット | [スペース] | [Shift + スペース] |
ジャンプ調整 | [Pg Up] [Pg Dn] | [Shift + Pg Up] [Shift + Pg Dn] |
最小値・最大値 | [Home] [End] | [Shift + Home] [Shift + End] |
全般
操作 | |
---|---|
確定 | [左クリック] |
キャンセル | [右クリック] |
オール・リセット | [Esc] |
完全リセット | [Delete] |
操作反転 | [Tab] |
臨時ジャンプ | [Alt] |
ガイド反転 | [Insert] |
最終確定時の再現 | [Enter] |
最終使用時の再現 | [Back Space] |
視点回転 | [Ctrl + マウス移動] |
視点ズーム | [Ctrl + ホイール] |
リネーム
「Rounder 1.0」から名称が変更されたツールを表にまとめました。
尚、「Rounder 1.0」で「〇〇〇:並列」という表記を「○○○」に変更したものは除外しています。
Rounder 1.0 | rounder 1.1 |
---|---|
スムーズ細分化 | エッジフロー |
任意の頂点で軌道を修正する:並列 | エッジフロー修正 |
任意の頂点で軌道を修正する:直列 | エッジフロー修正 ※ |
ヴァレー処理:反対側で検出された角度を適用 | エッジフロー修正:ワンサイド |
クレスト処理:角度0を適用 | エッジフロー修正:ワンサイド ※ |
フラット | エッジフロー修正:フラット |
コピー中の座標に存在しない頂点を検索する | 任意のモデルの頂点と一致しない頂点を検索 |
モデル情報管理 | 任意のモデル情報 |
選択中の頂点の座標を記憶する | 任意のモデル情報を記憶する |
記憶中の座標をクリアする | 任意のモデル情報をクリアする |
選択中の頂点に近いコピー中の座標を適用 | 記憶中の近似の座標に貼り付ける |
頂点を密着させる | 左右の頂点を中央に密着させる |
重複している全ての頂点を移動 | 頂点を重複させる |
※印は、シフトを押しながら実行した場合です。
最後に
この記事を投稿した時点では、「rounder 1.1」の使用方法に関し、最低限の内容に留め、取り急ぎ公開しているため、今後、加筆や修正などにより内容が変更される可能性が多分にあることをご了承願います。
尚、この記事や「rounder 1.1」についての不明な点などについては、下記のコメント欄にお気軽にお問い合わせください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。